フランスでの暮らしが始まってから、「友達」と呼べる人が、近くにいなくなりました。
少しさみしさを感じた時期もあったけれど、強いホームシックに襲われたことはありません。
「ひとり」でいることに、不安も焦りもない。そんな毎日を、静かに楽しんでいる理由についてお話しします。
もともと友達が多くない
私はもともと、たくさんの人と集まって過ごすタイプではありませんでした。
年に数回会って近況報告をする、途切れない関係の友人が数人。
だから、フランスで新たに「友達を作らなきゃ」と焦る気持ちはあまりありませんでした。
友人たちとは、時折り「最近こんなことがあったよ」とメッセージを送り合います。
日本にいても海外にいても、変わらない距離感が心地良いです。
夫婦時間が増えた
夫とはもともと友人だったので、暮らしの中で起こることやふと思ったことを、自然と共有しています。
共通の趣味の話をしたり、ちょっとしたアイデアを話したり。
日本にいた頃より夫婦時間が増え、なんだか変な話ですが、友人としてもさらに仲良くなった気がします。
もちろん、ずっと一緒にいるからこその適度な距離感もあります。
でも、一緒にいて落ち着ける人がいることは、何より大きな安心です。
手紙を出す楽しみ
昔から手紙を書くのが好きでした。
クリスマスカードなど季節のたよりを書くことは、こちらに来てからの楽しみのひとつです。
日本から暑中見舞いを送ってくれる友人もいて、離れて暮らしているからこそのコミュニケーションに心が暖まります。
店員さんとのやりとり
顔なじみのパン屋さんや八百屋さんで、
挨拶を交わし、ひとことふたことの会話。
そのほんの一瞬と笑顔が、思っている以上に心をほぐしてくれます。
大きな会話がなくても、日々の中に小さな優しさがある。
それだけで、ずいぶん満たされている気がします。
自分のために、時間をていねいに使う
こちらの暮らしでは、日本ほど流行やスピードに振り回されることがありません。
「ひとり」の時間があるからこそ、自分の好きなことや場所にじっくり向き合えます。
人と比べることが少なくなって、
“こうすべき”という基準からも、少しずつ離れていけたように思います。
まとめ
たしかに、駐在先で友達がいないという状況は、「孤独」と捉えられることもあるかもしれません。
でも、私にとっては「静かで、落ち着いた暮らし」につながっているものです。
誰かと過ごす時間も好きだけれど、「ひとり」でいる時間も、同じくらい大切にしたい。
そんな心持ちで、今日も静かに、映えない暮らしを楽しんでいます。